農家俳優に見る農の副業化と移住。工藤阿須加、生活や収入、結婚は?

有名人

近年、日本でも浸透してきている会社員の副業。

手を出したことがない人からすれば、「仕事が二倍になって大変そう」という声が聞こえてきそうです。

現在の風潮が来る前は、個人事業主が閑散期の収入を得るための手段というイメージが強かったからかもしれません。

今回はその中で兼業農家について、俳優の工藤阿須加(くどうあすか)さんに注目し掘り下げていきます。

目次
農家俳優 工藤阿須加さん
副業としての農業するか、農家として副業をするか
最新の副業事情

農家俳優 工藤阿須加さん

実父に元プロ野球選手の工藤公康(くどうきみやす)さん、実妹の一人にプロゴルファーの工藤遥加(くどうはるか)さんという家族構成は有名なお話。

父・公康さんが現役時代だった頃は家庭の食事事情が特に配慮されていて、そんな環境で幼少期を過ごしたことがきっかけで食に対する関心が高まり、農業にたどり着いたとのこと。現在も俳優としての活動をする傍ら、山梨県北杜市の借地畑での農業を両立するため、移住ではなく二拠点生活という形をとってらっしゃいます。

なお、2024年5月現在では独身のご様子。

農業への真剣な姿勢が注目を浴び、「工藤阿須加が行く 農業始めちゃいました」(BS朝日:毎週水曜日22:00-22:30)では日本各地にいる自分のライフスタイルに合わせて農業に携わる人の元へ訪れて紹介する番組を持つ等、農業の魅力発信のアイコン的存在としても活躍しています。

ご本人の公式Instagramでは農業と俳優業両方の近況を投稿していますので、気になる方はぜひ覗いてみては?

副業として農業をするか、農家として副業をするか

農業を職業とする人の中には兼業農家と呼ばれる方々もいますが、近年は近い意味で半農半X(はんのうはんえっくす)という言葉も広まってきました。これは塩見直紀(しおみなおき)さんが自著『半農半Xという生き方』の中で提唱したことが始まりです。

半自給的な農業とやりたい仕事を両立させる生き方を、私は「半農半X」と名づけて提唱している。

また兼業農家には「第1種兼業農家」「第2種兼業農家」という農林水産省が定義する分類がされていて、世帯所得における農業の比率で分けた表現をしています。同じようで少しずつニュアンスが異なるこれら3つの言葉、簡単に言うなれば以下のような解釈で問題ないと思います。

第1種兼業農家…農業(所得)>X(所得)

第2種兼業農家…農業(所得)<X(所得)

半農半X…農業=X

兼業をXで表してみましたが、数学で習う一次関数を彷彿させますね。笑

さてここ数年、家庭菜園を始める人が増えたことを受けて市民農園が増加の傾向にあります。

農園が特定農地貸付法により開設されている。
また、開設主体でみると、地方公共団体による開設が最も多いが、近年は農業者
や企業・NPO 等による開設が増加傾向にある。

<引用:農林水産省「3.主体・根拠法別の開設状況 」より抜粋>

要因としては、やはりコロナ関連が大きいと考えられます。
耕作放棄地の減少・空地の活用につながったり、食料自給率が低い日本にとっては良い傾向と思います。ただ収入源(副業)として成立させるには日本ではハードルが高く、副業、特に影響が出やすそうな第2種兼業農家になり得ず、あくまで趣味・自給自足の範囲に留まっている様子。

個人経営体を主副業別にみると、主業経営体は19万800経営体で前年に比べ1万3,900経営体減少、準主業経営体は11万5,700経営体で同1万300経営体減少、副業的経営体は58万2,100経営体で同2万2,200経営体の減少となった。
この結果、個人経営体に占める割合は、主業経営体が21.5%、準主業経営体が13.0%、副業的経営体が65.5%となった。

<引用:農林水産省「令和5年農業構造動態調査結果(令和5年2月1日現在)」より抜粋>

最新の副業事情

副業と言っても人によってやる目的・熱量もそれぞれ異なり、その幅は広まっています。そのため、本人は意識していなくても傍から見ると副業と解釈されることも。

2023年の一般調査では、日本で人気の副業は「ポイ活」「商品モニター」といったスマホアプリや簡単な申し込み・スキマ時間で誰でも取り組めることが人気だったとのこと。その次には「講師」「ライター」「コンサルティング」のように、本業として仕事にしている人・経験がある人が単発でも依頼を受けやすい仕事が上位にきていたようです。調査当時は人気はそこまでなかったようですが、新NISA制度が始まったことを受け、2024年は「投資(株式・不動産 他)」関係が上位に食い込むかもしれません。

そもそも日本、特に会社員が副業をするという概念はあまりなく、禁じている会社も少なくありませんでした。しかし2018年に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が策定されてから注目され始め、やはりコロナによる社会の変容を目の当たりにし、生活のあり方を見直した人が増えて現在に至ります。

日本の労働人口における副業率は 約4.95%<参考:統計局「令和4年就業構造基本調査」より>。実は諸外国と比べて低い…という訳ではございません。北欧圏のアイスランド・ノルウェー等は約10%、アメリカは約8%と日本より高い水準になっているものの、EU諸国は約5%とほぼ変わらない状況です。各国の社会保障制度・文化・国民性による影響が大きいので、副業率の数値で良し悪しを考察をすることはしませんが、数値が高い国の企業では副業・兼業をむしろ推奨しています。

その理由として、「イノベーション創出」「従業員のモチベーション維持」といった、被雇用者がその会社で働く意欲を持続してもらうため、会社制度に組み込んでいるとのこと。

働き方が多様化している今、日本でもこの価値観がスタンダードになったら、また社会全体が大きく動きそうな予感がします。

まとめ

筆者は「『食べものは生きもの、自給の範囲でそれぞれが調達していける社会』がベスト、そもそも資本主義でいう所の稼ぐ職業という概念とは馴染まない」という思考のため、市民農園を借りてベランダ菜園以上~第2種兼業農家が増加する傾向は個人的に文句ございません。

ただ決して農家という職業を否定している訳ではなく、むしろ尊敬しています。

そのおかげで日本の家庭やレストランが支えられていますし、一方で体験教室を開催して農業の楽しさを知る機会を設けたり、工藤阿須加さんのように、自らの取り組みを通して魅力発信を行う。そういった活動で食べもののことを意識してもらうことは今の日本社会にはまだまだ必要です。

何が言いたいかというと、自分がいま仕事としてやっていることに対し、何かしらの意義や目的を持つことは、仕事を楽しむ秘訣になるんじゃないかな~ってことです。
強引でしたかね。笑

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