間借りカレー、もう日本社会にすっかり定着しましたね。
「間借り」とは、代金を払って他人の家の一室を借りることを意味します。
つまり、店舗を持たず経営されている実店舗の営業時間外にその店を借りて営業を行うカレー屋さん。
間借り側にとっては固定費の節約や場所にしばられないノマド経営、
間貸し側にとっては店舗活用や間借り料による副収入、
利用客にとっては本来そこにないものと出会える特別感を体験。
ケースバイケースではありますが、総合的に三方よしな関係ではないでしょうか。
今後も人気継続の勢いをひしひし感じる間借りカレーですが、新たな形として最近注目されつつあるのが、
工務店が自社のモデルハウス/モデルルームで経営する飲食店。
当記事では「工務店グルメ」と命名してご紹介していきます。
目次
工務店グルメの魅力
住宅関連産業の現状と異業種参入
工務店グルメ5選!居心地の良さが好評のカフェも
まとめ
工務店グルメの魅力
建設と飲食。
この異なる2つの業界に足を踏み入れながら経営をするのは簡単ではないはず。
やると決意した想いやきっかけはきっと十人十色ですが、客観的に見えるメリットとして以下が挙げられます。
工務店(モデルハウス/モデルルーム)へ行くハードルを下げる
モデルハウス/モデルルームというと、ショールームや住宅展示場を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
筆者の偏見が入っているかもしれませんが、一般的に持たれているイメージといえばこちら。
・街中や郊外に点在していて面積が広い。
・定休にしている会社が多い土日祝に来場者が集中。
・理想の新居を見当している人々が出展している建築業者の営業の方々が来場したお客様を懇切丁寧に案内。
地域の工務店が持っているような一軒家規模の場合であっても、
「ついでにコンビニ立ち寄るか」
「今日予定ないし気になってた映画を見に行こう」
といった気軽さでは少々行きにくいですよね。
工務店グルメは飲食店なので、一般的なカフェのようにご飯やお茶をしたり、気になったから…という理由で行ける気軽さがあります。
建築相談をしたくて来店する人は「ついでに」と工務店グルメで寛ぐことも出来ますし、工務店(モデルハウス/モデルルーム)自体に行く理由がない人でも、結果として工務店へ行くことになりますし、このことがきっかけで工務店に対するハードルが下がるかもしれません。
何より、モデルハウス/モデルルームに身を置くことで、その工務店が得意とする建築工法を存分に体感してもらうことが出来ます。
独自ネットワークの形成
近年は大手住宅メーカーでも地域密着の姿勢に力を入れている傾向が見られます。
従来であれば個人経営や比較的小規模な工務店ならではの長所という差別化ポイントであったので、その暗黙の了解が破られたとも…
しかし、ここでも工務店グルメが一役買うことができます。
前述した内容の続きにはなりますが、気軽に立ち寄るお客様の増加と比例し、潜在顧客と接点を持つ機会も増えていきます。
飲食店でのリピーターや常連客ができ、その人達を経由した口コミ・紹介をしてもらえるかもしれません。
お客様側から見れば、信頼している人同士なら縁を結ぶことに安心感を持てます。
極論、どちらも「集客」に帰結出来てしまいますが、ビジネスだけではないことも得られるのではないでしょうか。
住宅関連建設業の現状と異業種参入
国土交通省の調査によると、2024年4月、ここ1年ほど減少の一途を辿っていた新設住宅の着工件数(前年同月比)が増加したとのこと。
しかしその要因は貸家や分譲住宅、特にマンションの大幅な増加であり、持家は引き続き減少しているようです。
<引用:国土交通省「令和5年度 建築着工統計調査報告」より抜粋>
また、改装工事も近年のリフォームやリノベーションブームを受けて市場規模は拡大しているとのこと。
<引用:国土交通省国土交通省「建築物リフォーム・リニューアル調査報告(概要)」より抜粋>
工事内容にもよるので一概には言えませんが、減少傾向にある新設住宅に比べ、1件あたりの金額は改装や建売・分譲の方が小さく工期も短くなります。
技術の高さや品質の維持はそのまま、コンスタントに受注数を確保することがこれからの日本社会で生き残れるかどうかに影響していくのではないでしょうか。
このような市場動向からも、集客の重要度は見て取れます。
現代は働き方も多様化し、副業をすることも一般的になっています。
強烈な印象を残せるような奇をてらった事業展開はもはや難しいかもしれません。
そんな時代だからこそ、挑戦したいことは手を出しつつも欲張りすぎず、長期的にみて本質的に大切なことを大切にする姿勢が求められているのかもしれませんね。
工務店グルメ5選!居心地の良さが好評のカフェも
「実際見たことがない」「飲食店だけの利用も気兼ねなくできる雰囲気?」
そんな方もいらっしゃると思います。
確かに、馴染みがないと工務店と飲食店はなかなか結びつかないでしょう。
そこで今回、日本全国の中から思わず行きたくなる工務店グルメをいくつかご紹介します。
関東エリア
【東京都武蔵小山市】 KOGUMAカフェ むさし村山店
株式会社コグマホームが経営するカフェ。
当社モデルハウス内に併設されていて、カフェのみの貸切利用も可能。
もちろん工事相談の際にも利用できるとのこと。
ランチやスイーツ・ドリンクのみならず、キッズメニューまで幅広いラインナップ。
季節替わりの「コグマのミニパフェ」には、社名に因んで可愛いクマのチョコが乗っています。
【群馬県前橋市】 岩涼(がんりょう)
2024年7月6日にオープンしました。
岩重工務店の代表宅兼モデルルームの一部を改修したお店です。
当店はかき氷の専門店。
ふわふわとした食感の削り氷と手作りのシロップが数種類ある中から選べます。
友達の家に来て暑い夏にかき氷機で作って食べる…みたいなノスタルジックに浸れます。
夏季限定の営業を予定されているので、気になる方はぜひお早めに。
中越エリア
【新潟県(新潟市中央区)】HARUMACHI coffee
ノモトホームズが当社住宅展示場内に併設オープンさせたカフェ。
白基調で採光抜群の店内から見える庭を眺めながらほっとしたひと時が過ごせます。
建築資材からこだわった完全オーダーメイドの家づくりをされてらっしゃる当社は、
カフェメニューにも強いこだわりが見られます。
ドリンクメニューが充実していて、スペシャリティコーヒーを提供しています。
またブランチメニューも、セットサラダには無農薬野菜を使用し、メインディッシュも本格的。
関西エリア
【大阪府(門真市)】ハッピービーンズカフェ
中村工務店がプロデュースするカフェ。
モデルハウス/モデルルームではなく当社事務所ビルの一階に併設している形ですが、職人の手が入った内装工事がされていて、なにより天井高く落ち着ける空間になっています。
メニューには水素水を使用するといったこだわりも。
またモーニングもされているので、朝から利用可能なところも嬉しいポイント。
建築に関わらず様々なイベントもカフェで開催されているようです。
四国エリア
【徳島県(徳島市)】マイシンカレー
辻工務店の敷地内にあるお店。
こちらは他と異なり、モデルハウス/モデルルームではなく、当社に元々あった建物の2階を改装したお店。
そのため当社はあくまで物件の貸主であり、経営するのは元イタリアンシェフのご主人と奥様。
外観はシンプルな白いビルですが、店内はアメリカン雑貨が並びとてもお洒落です。
因みに同ビル1階には「竹庵」といううどん屋さんが入っています。
店名の通り、こちらはカレー屋さん。
オーナーが研究したどり着いた本格的なスパイスカレーが堪能できます。
基本はランチタイムのみ営業なので、気になる方は事前に営業時間をチェックして行ってみてくださいね。
まとめ
この記事を読んだ方はもう、工務店は気軽に立ち寄れるスポットに感じれるはず。
まだ知らない人に先駆けて、工務店やモデルハウス/モデルルームの雰囲気と同時にグルメを堪能できる空間へお出かけしてみては?