【SDGs】「アートでゴミ問題を解決」芸術家・長坂真護や日本国内の活動事例

有名人

深刻な環境問題の一つとして取り上げられるゴミ問題

SDGsが世界的に宣言される一方、
長年世界のトレンドだった「大量生産・大量消費」の潮流は依然続いています。

資本主義社会においては安価な商品・サービスが重宝される傾向にありますが、
生産者はコスト削減として耐久性を優先的に落とすため、
買い替えサイクルの短期化⇔廃品の増加という負の循環が生じているのです。

SDGs宣言と資本主義は共存できるのか?

その問いに対する解決策が中々見出せていない世界の現状に対し
一石を投じるとして芸術とゴミ問題とのコラボがいま広がりを見せています。

不要になったモノをゴミとして廃棄するのではなく材料として芸術作品、
ひいては新たな商品価値を生み出す創作活動(クリエイティブ)を指します。

日本国内でも点として活動が活発化している中、
今回はそんな潮流の世界的芸術家ともいえる長坂真護(ながさかまご)さんを紹介します。

目次
ゴミ問題に対する疑念が長坂真護を芸術家へ導いた
長坂真護さんの活動と世界
クリエイティブリユース?リサイクルアート?日本国内の事例
まとめ

ゴミ問題に対する疑念が長坂真護を芸術家へ導いた

「長坂真護」というキーワードを検索すると、
世界的に注目される芸術家として作品やゴミ問題と関連付けた記事が多く出ている一方、
経歴の特異さに対しても世間の関心が高いと思える検索結果になっています。

そのため当記事では簡潔にお話します。

長坂真護さんのオフィシャルサイト「MAGO gallery.online」でも経歴については綴られていますが、
彼がゴミ問題と運命の出会いを果たす少し前、25歳以降からの話。

それでも十分ドラマチックな経験をされているんですけどね。

さらに遡ること高校卒業後、
地元福井県から上京するための口実として服飾系の学校である文化服装学院へ進学をしました。
その決断こそ長坂真護が芸術家の人生を歩むきっかけとなったのです。

ファッションの楽しさと才能ば目覚めた長坂さんは、
デザイナーとしての腕を磨くために海外留学を志します。

その資金を貯めるために始めたのはホストでした。

しかしそこでも才覚を発揮した長坂さんは歌舞伎町ナンバーワンホストまで昇りつめ、
海外留学は結局せずホストで稼いだお金でアパレル会社を創業します。

才能に導かれて順風満帆に進んでいましたがここで一転、
会社が上手く回らずに廃業し莫大な借金を抱えることになりました。

借金返済のためとはいえそれまでの成功体験もあったのでしょう、
会社員として働くことに抵抗を感じた長坂さんは路上画家で放浪する道を選ぶことにしたのです。

ここからオフィシャルサイト掲載の経歴へと繋がっていきます。

簡潔…ではなくなってしまいました。笑
粘り強く読んでくださった方、ありがとうございます。

ただいかに長坂真護さんが芸術家気質であるのか、
行動力・バイタリティの高さが現在の活動の根源になっていることが伝われば幸いです。

長坂真護さんの活動と世界

廃棄される不用品を材料とする長坂真護さんの作品は「ゴミアート」と称されます。

ゴミアートを通じ、ゴミ問題ないし環境問題を世界に向けて提起するだけでははなく、
アグボグブロシーにゴミ処理センターを建て、ゴミ処理機能の向上・現地民の雇用創出
というように、
経済支援的活動にも注力されています。

詳細は公式サイト、または長坂真護さん自身の公式SNSに投稿されているのでよかったら覗いてみてください^^
※SNSリンクは当記事の最後に掲載

また世界には長坂真護さん以外にもゴミ問題を少しでも解決しようと
取り組んでいる人々や団体があります。

しかしながら長い年月をかけて悪化してきた問題が点の活動ですぐさま改善されることは難しく、
世界全体で見るとむしろ深刻化しています

2024年2月28日に国連環境計画(UNEP)が発表した「Global Waste Management Outlook 2024」では
以下のような調査結果が報告されました。

固形廃棄物の収集率が低い地域 (オセアニア、中央および南アジア、サハラ以南のアフリカ)は、
軒並み都市開発も遅れています。

一方、上位の地域は先進国に分類・高所得で都市開発も進んでいて、世界平均 約75%を上回っています。


[引用元:UNEP「Global Waste Management Outlook 2024」]

廃棄物が管理された方法で管理される程度は、地域によって大きく異なります。

廃棄物管理のレベルが最も低いのはサブサハラ・アフリカ/中央・南アジアですが、
北米や西欧では、95%を超える廃棄物が収集され、指定された方法で管理・処理されています。

しかし北米では主に埋立地での処分に依存していて、
西欧ではリサイクルが最も高く、次いで廃棄物焼却発電と高い収集率を誇る地域間でも対応が異なっています。

ちなみに、固形廃棄物のリサイクルの割合は、
西欧…56%(最高値)
西アジア・北アフリカ…18%
サブサハラ・アフリカ…4%(最低値)

廃棄物焼却発電(Waste to Energy)の割合をみると、
北欧…42%(最高値)
西アジア・北アフリカ…1%
サブサハラ・アフリカ…0%(最低値)

ちなみに長坂真護さんの活動拠点である「アグボグブロシー」があるガーナ共和国は西アフリカ、
つまりサブサハラ・アフリカ地域に属します。


[引用元:UNEP「Global Waste Management Outlook 2024」]

なお世界では約27億人(農村部…20億人/都市部…億人)が排出する固形廃棄物が未回収のまま廃棄され、
その量は約5億4,000万トン、世界全体の約27%が回収されていないということになります。

かねてより世界中で叫ばれているゴミ問題ですが、
どうして解決の兆しが見えないのでしょうか。

多くの国では廃棄物管理にコストを費やすことに対して消極的である、という現実があります。
殊に管理割合が低いアフリカ諸国を含む地域ではゴミ問題以外に抱える債務返済の負担が重く、このような問題を後回しにせざるを得ない状況下にあるとのこと。

援助機関など各国における廃棄物管理の制度上のミスマッチや、
そもそも援助機関による廃棄物管理の資金提供に関する認知度が低いようです。

今後固形廃棄物の発生量は、2023年の21億トンから2050年までに38億トンに増加すると予測されています

長坂真護さんのように活動する人々を傍観者のごとく応援したり管理率の低い地域を指して非難するだけでは、
ますます加速していくだけでしょう。

クリエイティブリユース?リサイクルアート?日本国内の事例

他人に何かを伝える手段と言ったら概ね言葉ですが、
言語を用いない芸術活動も五感を通して人の心に訴えかけることもあり、
考え方によってはコミュニケーション手段の1つとも言えます。

SDGsの注目度が高まる中、
まさに長坂真護さんの活動に通ずる動きも日本国内で活発化しています。

クリエイティブリユース

言葉や当記事のテーマから推測している方もいらっしゃるかと思いますが、
廃棄物を用いて作品を生み出すクリエイティブ活動、
まさに長坂真護さんの取り組みや同様の活動を包括した呼称です。

IDEA R LAB(イデア・アール・ラボ)は2013年に岡山県倉敷市で創設された、
クリエイティブリユースに関心がある人々のためのプラットフォーム

代表を務める大月ヒロ子さんこそ、
クリエイティブリユースという言葉を生みだした張本人です。

大月ヒロ子さんはこのラボをクリエイティブリユースに関するイベントや活動の場として解放している一方、
様々な企業とクリエイティブリユースを活用したコラボ企画を実施してらっしゃいます。

その中には株式会社バーニーズジャパンと長坂真護さんがタッグを組んだ企画展示も。

企業という団体がクリエイティブリユースに関連する企画を実施することは、
より多くの人へ環境問題(ゴミ問題)に関心を持ってもらう機会を増えるだけではなく、
企業のCSRにもつながる等、非常に大きな価値のあるものではないでしょうか。

Instagram
リサイクルアート展

会場は北海道札幌市。
札幌市のみならず道をあげて後援するイベントです。

リサイクルの普及を目的に2015年7月の第1回から毎年開催され、
2025年に第10回を迎えます。

主催・会場こそ北海道ではありますが、
「プロ/一般問わない(小学生以上)」「北海道在住/道外在住問わない(日本国内在住であれば)」と、
幅広い方に応募資格があります。

クリエイティブを通じ環境問題に対する個々人の想いを発信する場を自治体が提供する、
良例の一つですね。

まとめ

SDGs関連の話題はどうしても、
解決に向けた行動に対するフィーチャーと現状への憂いと両極の要素がセットになってしまいますね。

しかし物事を客観的に捉えるには表裏どちらも知ることが大切だといつも実感します。

直近では10/4,10/11に前後編で放送された「わたしのヒュッゲ」(テレビ東京:毎週金曜日 21:54-22:30)にゲスト出演された長坂真護さん。
今後の活動にも注目です。

長坂 真護(NAGASAKA MAGO)公式X
https://twitter.com/artistmago/status/1805941017893548428

タイトルとURLをコピーしました